ホルミシス 腫瘍細胞 癌 TD50

 これは、東北放射線科学センター理事長の坂本澄彦教授が放射線と免疫との関係についての研究した内容を簡単にまとめたものです

 放射線と免疫との関係を調べるのに「TD50法」という方法を使っています。TD50法というのは腫瘍細胞を移植されたマウスの50%に腫瘍を生じさせるために必要な腫瘍細胞数を調べるものです。例えば、TD50=30だと、30個の腫瘍細胞をマウスに移植すると移植された動物の50%に腫瘍ができることを意味します。

 坂本教授はマウスに腫瘍細胞を移植し、低線量の放射線を照射した場合と照射しなかった場合を比較対照しました。結果は以下の通りになりました。

(1)照射しなかったマウスの場合

 9個の腫瘍細胞移植でマウスの50%のマウスに癌が発生しました(TD50=9)。

(2)照射したマウスの場合

 放射線を0.1グレイ照射した場合、15個の腫瘍細胞移植で50%のマウスの癌が発生しました(TD50=15)。

 当初、放射線を照射した場合は癌細胞に対する免疫機能が低下するため、照射しなかったマウスよりTD50の数値は小さくなるのではないかと予測を立てていたのですが、全く反対の結果になりました。今までの常識はマラー博士のLNT仮説(「照射した放射線の量に比例して染色体異常が増える」)に近かったのですが、これまでの常識に反する結果になったわけです。低線量の放射線を放射したマウスの方が、TD50の数値が大きく、移植された腫瘍細胞の受け取りを拒絶することが示されました。TD50の数値が大きいということは、癌を発生させるのにたくさんの腫瘍細胞を移植する必要があるということですが、裏を返せば癌に対する免疫力がそれだけ高いということになります。この実験から分かることは低線量の放射線を照射した場合、免疫力が高まり、癌に対する抵抗力が強くなるということです。

 以前のブログで、坂本教授が低線量の放射線を照射して癌患者の10年後生存率を調べた臨床実験のことを取り上げました。低線量の放射線を照射した場合の10年生存率は84%なのに対し、照射しなかった場合の10年生存率は50%という結果になりました。

 両者の実験は共に、低線量の放射線は免疫力を高め癌細胞に対する抵抗を強め、癌の増殖を抑制する機能(ホルミシス効果)があるということを示唆しています。一般に、ホルミシス効果には、①免疫機能を高める②ウィルスに対する抵抗力を強くする③癌を抑制するという作用があると言われています。この2つの実験結果は低線量の放射線が身体にプラスに機能しているという点で共通しており、ホルミシス効果を根拠づけるものとして興味深い実験です。

 私自身、ホルミシス効果が万能であると考えているわけではありません。しかし、一般論として、ホルミシスには①免疫を高め②ウィルスに対する抵抗力を強くする③癌を抑制するという効果があると言われています。弊店には「ホルミシスラドン」というラドンを人工的に生成する器械があります。このブログを御覧になりホルミシス効果に興味をもたれ「ホルミシスラドン」の購入・レンタルを御希望される方は、是非弊店の通販ショップ「水素の力」を御利用下さい。