ホルミシス効果〜概説と治癒実績①

 ホルミシス効果とは、低線量の放射線物質を照射した場合は身体に良い影響を与える効果があることを言います。ある程度の量の放射線は身体に良い影響を与えますが、それを超える量の放射線は身体に悪い影響を与えます。その境界線となる数値を「しきい値」と呼びます。この現象は、ラッキー博士が100倍以上の放射線を浴びる宇宙飛行士のバイタルデータを調べたことがきっかけになって提唱された理論です。ホルミシスの内容についてのどのようなものがあるか簡単にまとめました。

1 抗酸化作用

 活性酸素が細胞を傷つけるのを防ぐ効果があります。この活性酸素は病気・老化の原因となっています。この活性酸素の発生を防ぐ物質(抗酸化物質)にSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)やGPx(グルタチオンペルオキターゼ)があります。低線量の放射線をラットに照射した実験でSODとGPxの増大が判明しています。ホルミシス効果には、活性酸素を抑える抗酸化物物質を生成し、病気・老化を抑制する効果があります。

2 P53の活性化

 P53は癌抑制遺伝子です。低線量の放射線をラットに照射した実験でP53が生成されるのが確認されています。P53は文字通り癌の発生を抑制する遺伝子です。ホルミシスには癌の発生を抑制する効果があります。

3 細胞膜の透過性能向上

 活性酸素が細胞膜を酸化すると過酸化脂質と物質ができます。過酸化脂質は細胞の透過性を妨げ、物質のやり取りが上手くいかなくなります。また、血流の流れが悪くなり、心筋梗塞、脳梗塞の危険性もあります。低線量の放射線をラットに照射した実験で細胞膜の透過性が良くなったことが判明しています。ホルミシスには細胞膜の透過性を向上させ、心筋梗塞・脳梗塞を防ぐ効果があります。

4 ホルモンの増加

 ホルモンは生体内の特定の器官の働きを調節するための情報伝達を担う生理活性物質であり、視床下部、脳下垂体や甲状腺などで必要に応じて作られ、体調や精神をコントロールしています。具体的には、積極性を示すアドレナリン、鎮痛効果のあるメチオエンケファリン、血糖値をつかさどるインスリン、幸福感をもたらすベータエンドルフィンがあります。ウサギにラドンを吸入した実験でインスリン・アドレナリン・メチオエンケファリン・ベータエンドルフィンの増加が確認されています。