ホルミシス療法と末期癌

 

  末期癌の母親を持つNさんから電話があったので、末期癌にホルミシス療法が機能したケースについて調べてみたところ、低線量放射線を照射して延命に成功したケースが「医師がすすめる放射線ホルミシス2」に掲載されていました。

 

 最初の患者さんは、49歳の女性で、卵巣腫瘍でかなり進行していました。開腹手術をしたところ、腹腔に癌細胞が種を蒔いたようにいっぱいありました。それから、右の恥骨壁にも癌の浸潤があって、直腸S字結腸の縁も癌の浸潤が認められました。婦人科では「卵巣の摘出だけして転移は切り取れられない」ということでした。

 

「転移が切り取れられない」ことからも、手術による癌の治療がほぼ不可能といえるくらい癌が進行しているのが分かります。

 

 手術をしたのは10月でしたが、「来年の3月までは持たないでしょうけれども、痛みを和らげるために放射線治療をしてあげて下さい。」

   

 余命が6ヵ月と医者に宣告されます。

 

 写真1は手術前の注腸造影検査ですが、矢印のように大腸の壁が癌細胞の浸潤でギザギザになっています。そこで、通常の治療では治療効果が全く期待できないので、低線量全身照射と局所照射の組み合わせで治療を試みたのです。
 全身照射を週3回(月・水・金)、そして全腹部に1回2グレイ(月・水・金)と1グレイ(火・木)で週5回照射。この組み合わせを5週間ほど行いました。その半年後に、もう一度低線量照のみを行いました。

 

 ホルミシス療法を開始します。

 

 治療終了後の注腸造影検査が写真2ですが、ギザギザすべて取れています。この方は、快復されて社会復帰もして、その後2年半生きて腸閉塞で亡くなりました。

 

 余命6ヶ月のこの女性の方は、低線量放射線照射後2年半年生きました。その点から、ホルミシス療法は延命にある程度の効果はあったのではないでしょうか。