免疫チェックポイント阻害剤

 

オプジーボ

オプジーボ

 癌が増幅すると体内にある免疫がアクセルを踏みこんで、免疫細胞が癌細胞を攻撃します。今回のブログの内容は、この免疫細胞による癌細胞の攻撃を効率良く誘導するための免疫療法についてです。

 

 

 1992年、先端医療振興財団の本庶佑理事長(73)がPD1という免疫細胞による癌細胞の攻撃を抑制する物質を発見しました。今までは、癌の治療薬として癌細胞の攻撃を増強させる、すなわち、アクセルを強くする機能を有する薬剤を開発するのがメインでした。しかしながら、「小野薬品」がこのPD1の癌細胞の攻撃を抑制する機能を低下させる点に主眼を置いた研究開発により「オプジーボ」という「免疫チェックポイント阻害剤」が開発されました。

 

 

 この「オプジーポ」はいち早く千葉ポートメディカルクリニックで使用さ、同病院の今村貴樹院長は以下のコメントをされています。

 

「いよいよ本物の免疫療法が出た。」

 

「65人の癌患者から癌細胞が完全に消滅したのが約1割、総合的に判断して約5割の方に効果があったと考えています。」

 

 ちなみにこの「オプジーポ」の投与が正式に認められているのは根治切除不能な「メラノーマ」だけです。切除不能な「非小細胞肺癌」も近く承認される見通しに過ぎません。それ故、この「オプジーポ」は患者が自らの責任で個人輸入という形で治療に使われています。

 

 認可の問題のみならず副作用の問題もあると言われています。しかしながら、約1割の癌患者の癌細胞が完全に消滅したケースが報告されており、癌治療の免疫療法として期待され脚光を浴びています。

 

 

 認可及び副作用もありますが、さらなる研究開発が進めば、癌治療に手術しなくても良い時代が来るかもしれません。ただ、認可及び 副作用の問題をクリアするのにはかなりの時間がかかりそうです。