NBI内視鏡システム

 

NBI内視鏡システム

NBI内視鏡システム

 日刊ゲンダイに癌検査についての興味深い記事が掲載されていました。NBI内視鏡システムについてです。NBIの正式な名称は「NARROW BAND IMAGING」、日本語では「狭帯域光観察」と呼ばれます。

 

 NBI内視鏡システムについての記事の部分を引用しました。

 

「2つの短い波長の光を粘膜に当てることで通常の内視鏡検査では分かりにくい粘膜の表面構造や毛細血管をはっきり映し出すことが可能です。粘膜の表面構造や毛細血管が正常部分とは異なっているので癌が浮かび上がって見えるのです。」

 

「2つの短い波長に加え緻密な観察を可能にする拡大内視鏡を搭載している。これによって、病変を70倍~80倍に拡大して観察することができる。」

 

「胃癌と大腸癌については良性か悪性か、さらに粘膜内のどこまでが浸潤しているかが分かります。」

 

複数の医療機関は、「通常の内視鏡では発見が難しかった癌を確認できた。」という内容の論文を発表した。

 

「従来の内視鏡検査による喉頭癌の早期発見率が8%だったのに対し、NBI内視鏡システムでは100%。食道癌では従来検査55%であるのに対し、NBI内視鏡システムは99%という歴然という差が出ている。」

 

 以上です。

 

 「癌が浮かび上がって見える」「病変を70倍~80倍に拡大して観察できる」「喉頭癌及び食道癌の発見率がそれぞれ100%、99%」という点から、癌検査としては非常に優れているのが分かります。

 

 また、癌が早期に発見できたらより効果的な治療が可能になり、10年後生存率及び残生存年数も飛躍的に伸びるはずです。また、癌の部位が正確に把握できるので、癌とは無関係の部分の手術(「切除」)を避けることができることで、癌細胞が転移している部分のみの放射線治療が可能になるはずです。それにより、効果的な癌治療、手術又は放射線療法による肉体的負担の軽減が期待できます。

 

   しかしながら、このNBI内視鏡システムは日本ではあまり普及されていません。それ故、癌が早期に発見できないために癌の発見が遅れてしまい進行が進んでしまっていたために手遅れになってしまうケースは避けられなさそうです。効果的な癌治療のために正確な癌検査が大前提としてあるので、NBI内視鏡システムの普及が癌治療のための鍵になるのではないかと考えます。