「福島20km圏内は帰還できる線量です」

 

 以下の発言は、札幌医科大学の高田純教授の発言です。

 

 この発言から、政府の 強制退避の基準となった 20km が科学的根拠に基づいていないことが分かります。政府が出した避難勧告のために、現在も10万人近い福島県民が避難生活を 余儀なくされています。福島第1原発事故の際、政府の出した「圏内20km=退避」が正しかったかどうかを考えるにあたり、参考になると思い、「放射線の正しい知識を普及する会 Web」から部分抜粋しました。 興味のある方は、是非参考にして下さい。

 

 

(前略)東日本大震災の翌 4 月 8~10 日に福島県民の放射線衛生を調査しまし た。浪江町民から、残してきた牛たちを見てきてほしいといわれ、末の森に行き ました。一人で畑の放射能測定をしていたら、遠くにいた20頭ほどの黒毛和牛 たちが集まってきました。飼い主たちがいなくて淋しかったのでしょう。そのなかで下痢や脱毛など、急性放射線障害を示す牛は一頭もいませんでした。これは 低線量率の証拠です。現地では、牧畜家の元浪江町議会議長の山本幸男さんに偶 然出会いました。それ以来、牛たちの放射線衛生調査を継続しています。最大の 悲劇は、政府による非道な殺処分です。牛 3500 頭、豚 3 万頭、ニワトリ 44 万 羽、馬 100 頭が犠牲になりました。民主党政権から始まった風評加害事件はまるで中世の魔女狩りです。(中略)  福島第一原発の境界敷地でも 2 日間の測定をしました。胸に装着する個人線量 計で積算線量を確認すると、0.1ミリシーベルト。震災元年4月の2泊3日の現 地調査では1日当たり0.05ミリシーベルトです。この低線量率は危険でないの で、私は持参していた防護服とマスクを着用しませんでした。もちろん当日、私 に鼻血はなく、脱毛もなく、いまも髪はフサフサです。  

 2年目の3月に、政府が年間50ミリシーベルトを超えると断定し、帰還困難区 域と指定した浪江町末の森にある山本さんの自宅で、2 泊 3 日の調査を行ないました。すると 1 日の実線量は 0.05 ミリシーベルト、年間 17 ミリシーベルト だったのです。政府の調査は畑での空間線量率を測り計算しているので、3倍くらいの過大の線量評価になっています。政府の誤った線量推定では未来永劫、浪 江町には帰還できません。この地は政府が放置し、まったく除染がされていない のです。放牧地と自宅周辺の除染をすれば、すぐに年間 5 ミリシーベルト以下 に改善できます。(中略) 

 震災から 3 年たったいま、福島県民の多くは、セシウムによる線量は年間 1 ミ リシーベルト程度か、それ以下です。これは、食品摂取による体内セシウムも含めての値です。線量率は宇宙飛行士の 300 分の 1 程度で、健康被害のリスクは まったくありません。食品流通の目的で農地や放牧地さえ除染すれば、20km圏 内の産業も再建できます。  

 

 以上です。

 上記発言から、福島第一原発事故における放射線による人体への被害がないこと及び放射性物質「セシウム」の摂取による健康被害のリスクがないことが分かります。圏内20km退避命令措置は科学的根拠も基づくものではなく、避難命令措置自体の是非を再検討する必要があるのではないでしょうか。